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女子アスリート特集③女子水球部 金子 莉紗



 今回で3回目となるマーセッド大学女子アスリート特集では、現在女子水球部に所属する金子 莉紗さんについてご紹介する。金子さんは今学期、人生初となる水球に挑戦することを決意。その傍ら、週末にはUCマーセッドにてダンスの練習、そして昨学期は水泳部へ入部するなど、異国の地でも恐れず、「新しいことに何でも挑戦する」という彼女の姿勢には、多くの学生が見習いたいと思うのではないだろうか。そんな彼女の限りないチャレンジ精神の理由、そして留学2年目にして見えた、新たな新境地について迫る。


金子さん(写真1列目中央部)、女子水球部のチームメイトと集合写真
金子さん(写真1列目中央部)、女子水球部のチームメイトと集合写真

アメリカ留学2年目にして感じたこと

 大学入学当初、彼女は予想を超える日本人の多さに戸惑いを隠せなかったという。「想像以上に日本人留学生の数に驚きました」

日本では海外留学が浸透し、アメリカへ留学する日本人の数は急増の一途を辿っている。マーセッド大学でも例外なく、多くの日本人留学生がこれまでマーセッド大学へ在学してきた。当大学全体の学生数に対する、日本人を含む総留学生数の比率はおよそ160:1と、図書館や食堂にて留学生の姿をよく目にするのも頷ける。そのような状況下のために、彼女が日本語を話す環境から抜け出せず、自身の英語力を心配する時期がしばらく続いた。しかし、そんな中で弊社の代表取締役・山内より受けた助言により、彼女の中で変化が訪れる。それは、「自分のやり方次第で周囲の環境は変えられるのであって、自分の英語力の低さを日本人のせいにするのは言い訳だ。英語の上達とアメリカにかぶれるのは意味合いが違う」という助言だった。自分の努力次第で、現地の人と交流する機会は大いにある。逃げずに、恐れずに挑戦し、自分自身を確立しようと決意した瞬間だった。


女子水泳部での集合写真(金子さん、1列目左から2番目)
女子水泳部での集合写真(金子さん、1列目左から2番目)

 現在取り組んでいること

 そこから彼女は次々に新しいことに挑戦し、留学生活を自ら積極的に充実させるようになった。そんな彼女がどのような日常生活を送っているのかをご覧いただきたい。

 まず初めに、彼女はダブルメジャ―(二重専攻)を利用している学生である。日本の大学にて二重専攻という制度は珍しく、耳にすることは多くない。二重専攻とは、同時に2つの専攻分野を主専攻として授業を履修できる制度で、アメリカの大学で学生がダブルメジャ―で大学を卒業することは一般的だ。彼女の場合は、現在運動機能学(Kinesiology)並びに栄養学(Foods & Nutrition)を専攻しており、来学期より栄養学と経営学(Business)を専攻する予定とのこと。元来、アスレティックトレーナーとしてアスリートをサポートしようと考えていたが、方向を少し変え、現在は栄養学の面からアスリートの助けとなれるよう勉学に励んでいる。

 そして授業の合間には、部活動に励む彼女。彼女にとって水球は初の競技であるものの、物怖じせず積極的にプレーに関わる。入部当初、彼女が初心者であるために、チームへ迷惑を掛けているのではないかと思い悩んだ時期もあったという。それでも彼女の不屈の精神、そして周りからの手厚いサポートもあり、その不安は払拭された。また、昨学期には水泳部に入部していた彼女。「小学校4年以来の水泳だったので、正直不安だった。」と語る彼女だが、持ち前の運動神経で素早くアメリカのプレースタイルに順応し、セントラルバレー地区の大会に出場し、個人200mバタフライ部門にて見事6位の座を獲得。カリフォルニア北部大会には一歩届かなかったものの、部の成績に大きく貢献し1年目のシーズンを終えた。

 そして最後に、金子さんは9月から本格的に始動した、UCマーセッドを拠点として活動するダンスグループ「HomeBound」にも所属している。金土日の週末を利用して、10月下旬から11月初旬の間で行われる大会に向けて特訓を積んでいる。


留学での心意気

 彼女のように実のある生活を送るためには、しっかりとしたタイムマネジメントが欠かせない。在学2年目を迎え、専攻科目を履修するようになった彼女は、昨年と比べ格段に授業内容のレベルが上がった。そして授業レベルに比例して、課題や復習などのために費やす自習時間も増えた。忙しさが増した学生たちにとっては、しっかりと余裕を持ったスケジューリングが鍵となる。

 そんな彼女が勉学と部活の両立において、常に心掛けていること、それは、分からないことがあれば、積極的に自分から聞く姿勢だ。「待っているだけでは誰も助けてくれないので。」そう語る彼女は、空き時間で教授のオフィスを訪れたり、部活中にはコーチやチームメイトと積極的にコミュニケーションを取ったりなど、不十分な英語力をカバーするために努力を積み重ねている。

 

留学前の自分になにかアドバイスをするなら?

 そう伺うと、彼女は少し間をおいて真剣なまなざしでこう答えてくれた。「ここ(アメリカ)に来たら、自然とペラペラ(英語を喋れるよう)になると思わないほうがいいです。日ごろから空いた時間に英語の本を読んだり、1日5分でもいいから英単語をやっておいたりすることが大事だと思います。分からないことがあるときは、メモを取って後で人に聞いたり、自分で調べたりする習慣をつけておけばよかったと、今になって痛感しています。」

 日本から遠く離れた土地でも、臆することなく新しいスポーツに挑戦し、週末にはダンスの練習に打ち込む彼女。留学2年目にして掴んだ、彼女の飽くなき探求心はこれからもまだまだ続く。


 次回ご紹介するのは、陸上部に所属する友井 優花さんだ。金子さんと同時期に渡米を果たした友井さんは、今年の秋学期で留学2年目を迎えた。アメリカ生活を1年過ごした後に、彼女が陸上選手になることを決意した過程、そして充実した留学生活の裏側をご紹介する。


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