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総勢10名。マーセッドのスポーツ留学生達が挑む、アメリカのカレッジスポーツ

 

 春セメスターも2月に入り、春のカレッジスポーツがシーズン入り。学生アスリート達は各々、食事制限や願掛けを始め、授業とシーズンを共に乗り切るために、クラスとフィールドで汗を流している。マーセッド大学では、秋・春合わせて10名の留学生がチームに所属。 春からは野球部、ソフトボール部、男女陸上部、男女水泳部がシーズンに入る。

 昨シーズンのプレーオフ進出を経て、秋セメスターの間に激しいロースター争いを乗り越えた野球部では、4名の日本人留学生の内、2名がロースター入り。1名は辞退となったが、留学生がロースター入りし、現地学生と切磋琢磨するマーセッド大学野球部の伝統は変わらない。2014年には5名の日本人留学生と2名のカナダ人留学生、1名のイタリア人留学生がロースター入りし、2015年には日本人留学生とカナダ人留学生が2名ずつロースター入りを果たしている。また、昨年MLBのミネソタ・ツインズからドラフト指名を受け、名門・UC Davisからの奨学金オファーを受けたブレイク・セダーリンドは、最後のシーズンを迎える。2年連続プレーオフ進出を目指す野球部の活躍に期待だ。

 

 2月9日には、ソフトボール部のホーム開幕戦がダブルヘッダーで開催された。今期のソフトボール部には日本人留学生2名が所属、学生コラムでお馴染みの貫名さんが、カレッジ生活最後となる2年目のシーズンに挑む。昨シーズン中盤には4番を任されるなど、1年時からチームの中軸として活躍した貫名さん、定評のあるショートの守備でもチームを牽引する。

 

 最多となる日本人留学生3名が所属する男子バスケ部は、秋からシーズン入りしており2月に終盤を迎える。3名の日本人留学生はいずれも1年生だ が、積極的なアピールを続け、出場機会も増加した。シーズンの最後まで、レギュラー入りが期待される来シーズンを見据えた動きを見せる。日本人留学生1名 が所属する女子バスケ部は現在、4試合を残してカンファンレンス4位。2年ぶりのプレーオフ進出へ向けて負けられない闘いが続く。留学生の島袋さんは、1年生ながらスターターで出場するなど、持ち前のスピードを活かして活躍中。チームとしては、ここまでの勝敗は五分の成績だが、怪我人続出で負け越した昨シーズンからは大きく巻き返した。 2013-2014年シーズンに北カリフォルニアベスト8、カリフォルニアベスト16に輝いた強豪の復活に期待したい。

 

 個人競技である男女陸上部と水泳部は2月からシーズン入り。両チーム共ほぼ毎週大会に参加するため、遠征の日々が続く。陸上部は昨年、高飛び女子のマホガニー・スティットが州大会で2位に入賞。熱心な教育者として知られるコーチ・フォイの指導の下、秋は徹底して基礎を磨き、学生アスリートとしての心構えも身につける等、精神的な準備も怠らない。今年も個々の技を磨き、大会での入賞を目指す。
 秋セメスターにシーズンを終えた水球部の選手達は、春は水泳部に参加。水球部としては2014年に北カリフォルニア大会5位、2015年に同4位の成績を残しており、強豪チームとしてカリフォルニアにその名を轟かせている。マーセッド大学水球部で2年間を闘った齊藤幸樹君は、先日お伝えした通り、卒業後のスペイン1部リーグ行きが決定。秋から始まるスペインでのシーズンへ向けて、春は虎視眈々と準備を進める。

 

 もちろん、春に活動を行うのはシーズン入りする部活だけではない。女子バレー部には日本人留学生1名が参加。秋のシーズンへ向けて、ロースター入りを目指す。昨秋には1名の日本人留学生がロースター入りしたアメフト部は、秋のシーズンへ向けて既に再始動を始めている。また、先日には4名の所属選手がNCAA Division 1の大学へ進学することが決まり、地元紙でも大きく報道された。

 

 

 このように、マーセッド大学での学生選手たちの活躍を挙げれば、枚挙に暇がない。この中でも、言葉の壁を乗り越えて活躍を見せる留学生の姿は、一際輝く。だが、残念ながら、全ての学生選手が文武両道で学業とスポーツを両立できるわけではない。スポーツに熱中し成績を落としてしまう学生や、ロースター入りできない学生選手も多くいる。留学生の中には、幾分勉強に余裕のあるアメリカ人チームメイトに引っ張られ、勉強が疎かになってしまう学生もいる。アメリカ人チームメイトとすぐに友達になれることがスポーツ留学生の強みだが、留学生の意志の強さによっては落とし穴にもなる諸刃の剣でもある。
 その中でも、目標を見失わず、野球奨学金を獲得して進学する学生選手や、部活での経験を糧にUCLAへ進学する学生、BCリーグへ進んだ永冨翔太君や前述の齊藤幸樹君のようにプロの道へ進んで行く学生たちがいることも事実だ。いずれも、目標を達成するための意志の強さと、自分の将来や競技そのものと向き合う姿勢を崩さなかった学生選手達が辿り着いた結果だ。

 マーセッド大学は長らく、留学生たちが次のステージへ進むための土台として機能してきた。学生の努力次第では、プロの道であれ、4年制大学であれ、次の舞台へよじ登ることができる。マーセッドの街では今日も、各々が描いた未来を見据えながら、学生選手達が汗を流している。


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