女子アスリート特集⑤ソフトボール部 アンタオ しおん

 女子アスリート特集も4回にわたりお届けしてきたが、今回が最後の特集となる。第5弾では、現在ソフトボール部に所属しているアンタオしおんさんについてご紹介する。誰もがスポーツと勉学の両立に一度は悩み、苦しむものである。しかし、アンタオさんは加えて、マーセッド大学の特徴でもあるアスレチックトレーナープログラムにも取り組んでおり、留学を通してソフトボール、トレーナー、そして勉学の共立に挑戦している。

 今回は、そんな彼女がソフトボールをアメリカで挑戦するようになったきっかけ、アスレチックトレーナープログラムへの参加、ソフトボール留学を考えている人へのアドバイス、そして彼女の今後の目標についてご紹介する。

ソフトボール留学を通して

 アンタオさんは2017年、夏学期にY.E.Sの運営するマーセッド大学付属の語学学校(MCELI)に入学し、同学期中に大学入学条件であるTOEFL IBT 450点を見事突破した。秋学期よりマーセッド大学に入学したアンタオさんは、Kinesiology(運動学)を専攻しながらアスレチックトレーナープログラムにも取り組み、更にソフトボール部に所属している。

アメリカの地でソフトボールに挑戦しようと思った理由

  アンタオさんは小さい頃から野球を観戦することが好きだった事もあり、中学1年生の時にソフトボール部に入部。ソフトボールの面白さに少しずつ惹かれていった彼女は、投手として、順風満帆な部活動生活を送っていた。しかし、中学3年生の最後の大会を目前に、肩を痛める。そんななか無理を承知で出場した試合では、思うような成績を残すことが出来ず、中学での部活動生活に終止符を打つこととなった。高校では、肩の故障が原因で、ソフトボール部への入部を諦め、他の運動部に入部していたが、ソフトボールをやりたいという気持ちは消えることがなかった。また、やりたいことが出来ない歯がゆさや、周りの同級生が真剣に部活動に取り組み、全国大会で活躍している姿を見た時、悔しさだけが残った。そんな中、高校3年生になり、進路を考える時期を迎え、彼女は、将来医療に携わりたいという思いから、NATA公認アスレチックトレーナー(ATC)を目指すため、留学することを決意。その後、自ら留学に向けて準備を行い、アスレチックトレーナープログラムのあるマーセッド大学への留学を決めた。しかしながら、マーセッド大学付属の語学学校(MCELI)に入学した際に、スポーツ留学生から話を聞き、練習を見学するとソフトボールへの情熱が再燃。ここで入部しなかったら後悔すると思い、3年間のブランクを抱えながら入部し、共立への挑戦を決意する。現在彼女は、パワーの差を感じつつも、自らの特徴を生かしながら日々の練習に懸命に取り組み、レギュラー選手としてチームの勝利に貢献している。

アスレチックトレーニングプログラムへの参加   

   マーセッド大学のアスレチックトレーニングプログラムでは、二人のATC(NATA公認アスレチックトレーナー)が、ATCになる事を希望する学生に対して知識や技術を学ぶ機会を提供している。例えば、運動部に所属している選手に対してテーピングやストレッチなど、将来アスレチックトレーナーになった際に行う業務をより近い立場から経験できる。

   彼女がこのプログラムに参加した理由には、肩の故障がきっかけで生まれた、自分と同じような辛い思いをしている人を支えたいという思いが強く関わっていた。彼女は将来ATCになるため、現在一年生(フレッシュマン)として、テーピングやリハビリテーション等の選手に対するサポートや選手の情報管理などの仕事を当プログラムを通じて学んでいる。当プログラムでは、英語を使う環境の中で幅広い知識が必要となるため、大変な事も多々あると彼女は言うが、ソフトボールをプレーしているからこそ理解出来る事があり、それが他の学生とは異なり強みになるという。ソフトボールの練習や試合等の週20時間の活動に加えて、週10時間のトレーナーの活動を行っている彼女は自身の共立に対して、次のように語る。「将来の夢は、ATCになることであり、ソフトボール選手生活はこの2年間で終了します。ソフトボールを理由に優先事項であるトレーナー、そして勉学が中途半端になることは避けたいので、日々気を引き締めて頑張っていきたいと思っています。また、私が共立に挑戦できているのは両親や友人などの様々な人の支えがあるからです。」感謝の気持ちを忘れず、自身の成長のため、彼女はソフトボール、トレーナー、勉学の共立に取り組んでいる。

スポーツ留学を考えている人へ 

  スポーツ留学を考えている人へのアドバイスをお願いすると、「アメリカ人の輪に入ってスポーツをすることはとても勇気のいることです。文化の違いや日常会話の問題など勿論大変なことの方が多いですが、チームメイトと過ごした時間や様々な経験は必ず自身のアドバンテージになると思います。なので後悔しない為にも恐れずに挑戦してみてください。」と力強く答えてくれた。何事も一歩踏み出す事は難しい事であるが、踏み出さなければ何も始まらない。一歩生み出す事、そしてその中で生まれる様々な壁に彼女自身の強みを生かし挑戦する事の大切さを彼女の言葉から感じ取れるのではないだろうか。

今後の彼女の目標 

 彼女の今後の目標は,ソフトボールでプレーオフ(地区リーグ上位2チームが出場可能)に出場する事であり、現在シーズン開幕に向けて練習試合などを重ねながら、準備を行っている。また、ATCの資格を取得するには、四年制大学への編入が必要となるため、英語力の向上、GPA(成績評価値)を高く保つが重要となる。ソフトボールをプレーしながらトレーナーに励み、更に勉学を行うことは容易ではないが、留学を通して、言語、文化などの壁にぶつかりながらも様々な事に探求心を持ち、勇往邁進の言葉通り、夢に向かって突き進んでいる彼女の動向に今後も注目していきたい。

5回にわたってお届けした女子アスリート特集も今回で最後となる。当特集を通して、マーセッド大学にて、日本人女子留学生がいかに様々な思いを抱え、異国の地でスポーツに挑戦しているかがお分かりいただけたことと思う。もちろん、当特集で紹介した学生のみでなく、他にもたくさんの日本人留学生がマーセッド大学にて活躍している。今後、なるべく多くの彼らの活躍を本コラムでお届けしていく。