今回は、将来の夢に向かって日々努力を惜しまない一人の学生にインタビューをした。彼女の名前は酒田ちえみさん(20歳)。酒田さんは現在マーセッド大学に通い、Accounting (会計学)を専攻とし勉学に励む傍ら、様々なボランティアに挑戦している。今記事では、彼女がマーセッドに来た経緯、ボランティアを通して感じた事、将来について迫っていく。
マーセッド大学に来た経緯
はじめに彼女が英語に興味を抱くようになったのは中学生の頃である。
当時、姉が英語好きという影響で、中学時代は主に英語に力を注いでいた。そして高校進学決定の際も国際科がある高校を選び地元の高校へ進学する。彼女の留学という考えが、高校二年生のときにより現実に近いものへと移り変わる。
高校二年生時、初めて海外(オーストラリア)へ飛び立つ。当時通っていた高校とオーストラリアの高校が姉妹校という事で、彼女が高校二年生時に応募。見事、校内選考に合格しオーストラリアへの短期留学の切符を手にした。
実際にオーストラリアへ二週間行き、彼女の心には「将来留学に挑戦したい」という気持ちが高まった。大学を選ぶ際に海外留学のできる日本の大学を探していた彼女は、せっかく留学をするなら直接海外の大学に行った方がいいと考え、家族、友人、担任の先生へ相談する。
しかしながら家族と担任の先生からは猛反対を受け、厳しい現実を突きつけられる。
そんな中友人の一言が彼女の気持ちに火をつける。
「人生一度きり、自分の好きなことは自分で決めな。」
この言葉を聞き、彼女は家族、担任の先生を説得し、了承を得て海外留学へ行くことを決断した。
海外留学先を調べる中でHIUC(留学支援機構)を見つけ、学費、環境面を考慮し、アメリカ、カリフォルニア州のマーセッド大学を彼女の留学先として選択した。
留学前の決断
今までの彼女は親元を離れず、何かやる際に常に親の手助けがあり、何かを自分自身で成し遂げたことがなかった。つまり挑戦できていない日々を過ごしていた。留学を決断する際も金銭面的な負担、そして日本とは違う国での生活に対する怖さもあり、逃げそうな気持ちになったこともあった。
しかしそんな自分を変えるために留学を決断。そこで留学を決断するに至って主に二つ目標を設定した。
1. 自立
今までは家族の力を借りていたことが多かった為、留学を通じて、一人で物事をこなしていく力を養い、弱い自分に打ち勝ち強くなることを決意。そのために辛い道をあえて選択することで彼女自身へ重荷(責任)を課すことを意識。今までは自分に真正面から戦ってこなかった分、言い逃れできない状況を自ら作り、どんなに高い壁をも超えていくような気持ちで、何事にも逃げずに戦うことを決断した。
2. 留学ならではのことを沢山挑戦する
ホストとの生活、現地の友人作り、コミュニティにも参加することで価値観、考え方、文化の違い等への学び。何といっても将来の夢であるキャビンアテンダントになるべく、英語は勿論、他言語学習にも励み、ボランティア活動にも積極的に参加することを目標に掲げた。
様々な事ことに挑戦
彼女はマーセッド大学に来て現在主に二つの活動に取り組んでいる。一つ目は老人ホームでのボランティア。もう一つはマーセッド大学内のクラブの一つAGS(Alpha Gamma Sigma)である。
・老人ホーム
【きっかけ】
将来の夢(キャビンアテンダント)に向け、老若男女問わず、接客するうえで必要なスキルを学ぶ。更に日本とアメリカのご高齢な方々の生活の違いも知りたく参加を決意。
【主な仕事内容】
掃除、イベントの準備、新しいレジデントが入居時、基本情報を知るべくインタビューをする。お話し相手となり、時には昼食を共にすることもある。
【学び】
-アメリカのお年寄りの方々はいきいきされている
アメリカではひとつひとつのイベントを盛大に祝う文化がある。
その為、老若男女問わず明るい方が多く、お年寄りの方々も元気な方が多い。この明るさを作り出す環境や雰囲気づくりなどを日本でも活かせるよう日々日本との違いについて意識している。
-仕事を自分で見つける能力が身についた
活動を始めた頃は仕事内容について教えてもらうことが多かったが、仕事に慣れてくると自分だけで完結できるようになってしまいます。その為、何かすべきことはないか、必要なことはないかを考えることが大切だと学び、積極的に行動し仕事を自ら見つけて動くことが当たり前となった。
-人と接する際は明るく
やはり、対人関係のボランティアである為、常に笑顔を大切にすることを学ぶ。更にキャビンアテンダントになる為にも常に明るく、元気で笑顔を大切にすることは必須であるため、このボランティアを通してコミュニケーションスキルの向上を目指している。
-伝える力
英語での会話は日本語と比べ、言いたいことがなかなか言えないという状況にあうこともあるが、ボランティアを通して気づいたことは、英語力以前に大きい声ではっきりと話すことは自分の伝えたいことをしっかりと伝えるために必要不可欠なことであると学んだ。更にキャビンアテンダントにとってわかりやすく伝えることは必須なスキルである為、現在のうちから心掛けている。
・AGS
【きっかけ】
日本の高校時代生徒会書記をしていた経験により、アメリカでの生徒会的な活動にも興味があった。
【活動内容】
こちらのリンクにて詳細をご覧いただきたい。
【学び】
-アメリカの方々はチャリティー活動に積極的
募金やファンドレイズ活動を通じて、多くのアメリカ人は積極的に支援に協力してくださる。その姿を見て、見返りを前提にするのではなく、常に相手のことを想い奉仕できる立場になりたいと考えた。
-アメリカならではの地域貢献・社会貢献型国家の仕組みを理解。
彼女の中で、将来はグローバルな視点で物事を考えながら様々な方々に手を差し伸べていけるような人材になりたいという思いがある。その為、AGSの活動を通じて、今までの考えになかった考え方や、物事への捉え方などを学んでいる。
今後頑張りたいこと
まずは現在行っている老人ホームのボランティアとAGSの活動を続けていくことは勿論、新たな挑戦をしていきたいと語る。
マーセッド大学での時間も残すところ約一年程である為、アメリカならではのこと(ホストとの時間を大切にする等)への意識を高める。将来の夢(キャビンアテンダント)に向け独学で勉強をする傍ら、息抜きや自分磨きのために週5回のペースでジムにも通い理想の人物像に少しでも近づけるよう努力を続けている。マーセッド大学卒業後はOPT(Optional Practical Training)という約一年間のインターンシップに取り組む予定を考えている彼女は、将来に向かって今現在やらなければならないことに真剣に取り組んでいる。
アドバイス
「何事に対しても目標・目的を持つことを意識してください。私自身、アメリカで挑戦し続けられるのも目的を決めたからだと思っています。私は”成長しないと日本に帰れない、ここに来た意味がない”と決めたことでやらざるを得ない環境を作ることができ、現在の活動の推進力となっています。失敗や恐怖は誰もが直面することであり、成長に失敗は付き物であると考えます。
私もアメリカに来て大きな失敗をしたこともありますが、その過程がなかったら自分を見つめ直す機会に出会うこともなかったでしょうし、その過程を通して学んだ価値観や考え方にも至らなかったと思います。
ですので沢山挑戦して沢山失敗してください。失敗したあとの姿勢、考え方が大切であると私は思います。
そしてなんといっても自分の人生は自分で決めることです。他人の意見に流されて、決めなければならない状況においても決断できなければ、たった一度きりの人生台無しにしてしまうかもしれません。興味のあること、好きなことには必ず挑戦してください。そして自分に負けないでください。自分に勝つ人生を皆さんには歩んでいただきたいと思います。」
いかがだっただろうか。
彼女は将来の目標に向かって自分に打ち勝つ人生を心掛けている。彼女のように若いうちから将来の夢が定まっている学生は決して多くないかもしれない。しかし、将来のビジョンが定まっていなくても、段階を踏んだ小さな目標を設定することは可能だ。日々の小さな目標を達成していく先に、大きな夢・目標が見えてくるかもしれない。彼女は留学を通じて成長し続けている。
留学=必ず成長することではない。いつ、だれと、どこにいようと共通して言えることは、与えられた限られた環境の中でがむしゃらに頑張れるかどうかではないだろうか。彼女にとって留学は彼女自身を成長させる一つのきっかけであろう。
環境の質も確かに大切だとは思うが、それ以上に自分を変えたい、何か成し遂げたいという熱い気持ちを持ち、それに向かって行動し続ければ理想の自分に出会えることは可能だろう。
この記事を通し少しでも考え方が変わったり、何か学ぶものがあれば幸いである。
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