【学生インタビュー】アスレティックトレーナー、その実態に迫る。

 アスレティックトレーニングプログラム。今回、マーセッド大学でも有名なトレーナープログラムについて、記事を取り上げた。現在マーセッド大学学生トレーナープログラムには五名の日本人留学生が在籍している。今回は二名の日本人留学生トレーナー(堀尾駿介さん、小金沢志帆さん)にインタビューを行った。実際に現地で学生トレーナーとして活動に取り組んでいる彼らに、トレーナー志望動機からトレーナー活動の様子、そして学んだこと等、話を伺った。今回はインタビュー形式で学生トレーナーの実態に迫っていく。

 

――トレーナーを志望し、更に留学を決断した経緯について教えてください。

駿介さん「高校時代、野球部に所属していた際に、栄養士(スポーツ選手)の方との交流の機会があり、選手をサポートする立場の職業に魅力を感じました。調べていく中でアスレティックトレーナーという職業を発見し、スポーツ選手のサポートをする職業ということで、私が興味を抱いていた仕事と一致しました。アスレティックトレーナーについて、アメリカが最先端であることを知り、留学を視野に入れ大学選びをしました。留学をするにあたり、何も知識がなかった為、初めに留学支援機構HIUCに通うことで留学に必要な準備を行いました。最終的に留学先をマーセッド大学に決定した理由としてはHIUCの提携先である事、更にトレーナープログラムも充実しているという部分です。」

 

 

志帆さん「私は高校時代、ラグビー部のマネージャーをしていて、その頃から選手のサポートをしていた事、更に先輩に整体師の方がいて、その方からテーピングの巻き方やケガをした選手に必要な応急処置を学ぶ中でそういった関係のお仕事に興味を持ちました。そして、高校三年生の進路決定の際、アスレティックトレーナーについて考えるようになり、リサーチしてるとアメリカのカリフォルニア州にあるマーセッド大学をウェブサイト上で発見しました。更にアスレティックトレーナーはアメリカでは国家資格であり、逆に日本は民間資格であることを知り、目指すなら「本場」でという事でそこで初めて留学を決断しました。そこから駿介さんと同様HIUCを介して留学に来ています。」

――実際に「本場」アメリカの地で、学生トレーナーとして取り組まれていると思いますが、具体的にどの様なことをされているのですか。

 駿介さん「主に備品の片付け、準備、管理などをしています。その他にエクササイズや選手のリハビリを行ったり、ペーパーワークと言って、それぞれの部活のアスリートの健康をチェックしたり、特にアメリカではスポーツ選手に対し、脳震盪の判断基準が高く定められており、シビアに捉えられている為、診断テストを行ったりしています。」

 

志帆さん「想像していた仕事内容と同じ感じでした。しかし、実際に来てより地味な作業が多く、選手と関わる作業は勿論ありますが、それ以上に事務作業(書類の管理)関連のお仕事が多く、両者を経験する中で、輝く人を支える職業はこういう事かと身をもって感じました。」

――裏方のようなお仕事なのですね。では実際にトレーナーの仕事をこなしていく中で大変なことはありましたか。

駿介さん「試合の際にケガしている選手を処置する時です。やはり、試合の際にアドレナリンが出ている選手たちに適切な応急処置をする必要がある際はこちらも慎重かつ丁寧に処置を行う様にしています。」

 

志帆さん「私は選手よりもAT関係者の方とお話することが大変です。それは礼儀や話し方にも注意を払って、相手に伝わるように、誤解のないように話す必要があるからです。選手は年齢も近いせいか、友達感覚のように接することはできますが、やはりAT関係者の方と交流をする際は、教わる立場としての姿勢が必要です。」

――選手とAT関係者それぞれに対応する際に心掛けていることがあるのですね。その他、トレーナーをするうえで、大切にされていることはありますか。

駿介さん:「何といっても選手のサポートをする立場ですので、日頃から選手とのコミュニケーションを密に図るように心掛けています。更に選手の名前は全員覚えることを当たり前のようにし、選手とトレーナーの関係性をより深められるようにトライしています。」

 

志帆さん「現在トレーナーの人数が少人数である為、お互いを助け合うようにしています。一人に負担を課すのではなく平等になるようにし、更にそうするためにも周りを見て、行動し今何が大切かなどの目配り・気配りが大切になってきます

――先々のことを考え行動する事は大切ですよね。学生トレーナーとして、トレーナー業務以外にも勉学があるかと思いますが、どのようなタイムスケジュールで日頃お過ごしなのでしょうか。

駿介さん「今学期のスケジュールはフットボールがシーズンの為、トレーナーの活動時間が多く土曜日も試合があることがほとんどです。その上で授業も多く取っていますので、それ以外の隙間時間の有効活用を大切にしています。先にこの両者の時間割が決まってますので、「どれだけ隙間時間があるか」、「この合間に何をすべきか」等、ある程度予定立てをして、効率的なタイムマネジメントを行うようにしています。時には深夜遅くまで起きて課題に取り組むこともありますが、基本的にはそうならない為にも少しずつ課題をすることを念頭に置いています。」

志帆さん「今学期の一週間のスケジュール表を見ていただいたら分かるかと思いますが、午前中は授業やトレーナー業務を取っていません。私個人は、朝に課題等、大変な事を取り組む時間として充てるようにしています。やはり朝の方が頭もすっきりした状態で十分に課題に注力でき、集中できます。授業に関してですが、生物学や解剖学などを主に学んでいます。難しい授業になってくると、ナースや医者を目指す学生も同じ授業を履修していますので、複雑な授業展開となっており、私達留学生は専門用語等覚えるのに必死です。」

――忙しい毎日を送られているのですね。ハードスケジュールをこなしていく中で大変なこともあるかと思いますが、そんな中、トレーナーを通してやりがいなどは何かありましたか。

駿介さん「やはり、自分が処置をした選手、関係が深い選手が活躍したときは自分のことのようにうれしい気持ちになります。他にもトレーナーの人数が少人数な為、皆で協力する必要があるのですが、試合の際などにチーム一丸となって、お互いをカバーし合い円滑にトレーナー業務を行えた時ですねやはり、回を重ねるなかで効率的に行動することそして改善点をしっかり見つめ直すことで、現場で臨機応変に対応できた時の達成感は大きいです。」

 

志帆さん「私はATの方が私たちに今まで託されなかった仕事を託してくれるようになったことです。これは私たちの技術が向上したことは勿論ですが、それを通して信頼をしてもらっているという目に見えるご褒美だと思っています。

――やりがいは何事をするにおいても大切ですよね。更に自分が成長していることも実感できることは今後の活動に対する原動力にもなるはずです。ここまでトレーナーのことを通して、学んだことはありますか。

 駿介さん「間違いなく、自分から行動を起こすことです。これはトレーナーだけに関係なくすべてに言えることだと思います。受動的で待っている状態だと、得られる情報が減り、学ぶことが難しくなります。その結果、特に実力社会のアメリカでは学ばない人、能動的な行動をしない人は、放って置かれるなと感じました。」

 

志帆さん:「学ぼうとしない状態=成長しない=信頼を勝ち取れないにつながると思います。信頼については、ATの方から、更に選手達からもあります。特に選手はATの方に処置をしてほしいという時があり、その時は私達トレーナーは悔しい気持ちになりますが、私達の力量がまだまだであると思うことでもっと努力しないといけないという原動力にもつながります。」

――ご回答ありがとうございます。行動力のある人ない人では大きな差が生まれることは間違いないですよね。そんな中、現在勉強にもトレーナーにも努力をされている中で今後の将来の目標等お聞きしてもよろしいでしょうか。

 駿介さん:「私は、将来的にATになりたいと思っています。その為に、まずはトレーナープログラムがあるアメリカの四年制大学編入を目指します。(*現在ATプログラムが四年制大学には少なくなってきており、大学院卒業が必須傾向にある為、トレーナーを目指す方にとっては資格取得が厳しくなっている)そして、大学院へ行き、ATの資格獲得に向け勉学に励み、更に実践的な練習を少しずつですがこなしていきたいと思います。資格を取り満足するのではなく、仕事を取るというスタンスで先々のことを見据え行動していきたいと思います。」

 

志帆さん「私はATになるかは決めていませんが、そういった関連のお仕事に就きたいとは思っています。現在はアメリカの四年制大学への編入をしたいという意思はあるので、編入に向けて準備をしています。勿論、現段階からもそうですが、編入後はより選択肢が増えていると思いますので、自分の将来について深く考えていきたいと思っています。」

――それぞれ将来の進路は違うと思いますが、目標を持ち、将来について現段階から考えているのですね。そんなお二人から最後に留学を考えている人にアドバイス等あればお言葉いただいでもよろしいでしょうか。

駿介さん:「やはりリサーチ力が大切だと思います。この世の中は様々な情報が散漫している為、それらを自ら取捨選択していく力が必要だと考えます。私も留学に来るまでは調べることが面倒と考えていましたが、実際に自分の将来は自分で見つけ行動して掴み取るしかないと思っています。ですので皆さんも現時点からわからなかったら、面倒くさいと思わず、将来のことを考え自ら調べてみてください。」

 

志帆さん自分に厳しくなってください。やはり人間誰しも楽しいことを優先する傾向にあり、やらねばならない課題と天秤にかけた時に自分に負けてしまうことが多々あると思います。自分に勝つことが出来ないと他のことでも勝つことが出来ないと思っています。例えば時間を決めて、この時間までは課題に集中する。一人でできない場合は友達にそのことを伝え、手伝ってもらうなど工夫次第で逃げ道を断つことは出来ます。皆さんも是非初めから厳しすぎると続けるのが大変なので少しずつ試みてください。」

 

いかがだっただろうか。

 今回はマーセッド大学に在籍するトレーナープログラムを学ぶ二名の学生にインタビューを行った。インタビューの際は終始輝いた表情で受け答えに応じてくれた彼らからは「自信」を感じられた。それも、トレーナープログラムを通じて、更に留学生活を通じて養われたものに違いない。渡米前の彼らの心境は心配という気持ちの方が大きかっただろう。その上、留学では基本的に一人で何事も行っていかないといけない。だからこそ、一人で行うことが多い分、自ら「積極的に行動」、その為には「リサーチ力」も大切になってくるはずだ。彼らの挑戦には多くの試練が立ち向かうかもしれないが、これからの将来に向け、現段階から考え行動していくことであろう。そして、「己の道は己で決断」、「自分に勝つ」この二点を信念に彼らは突き進むことだろう。今後の彼らの動向に目が離せない。


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