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【学生インタビュー】「すべては挑戦から始まる」益田晃輔さん

「失敗に恐れず、新たなことに挑戦し続ける。」

 

今回の記事では、上記の文言を軸に日々努力をする日本人留学生、益田晃輔 (マスダ コウスケ)さんにインタビューを行った。彼は、今年の秋から冬にかけマーセッド大学男子水球部に所属。水球という新たなことに挑戦した彼に、留学を決断した経緯から水球部に入部した経緯、水球を通して学んだことなどを伺った。今記事はインタビュー形式を用い、彼の真相に迫っていく。

――マーセッド大学に留学した経緯について教えてください。

 

 「中学一年生の夏、人生初の海外 (カナダ)へ単身で行ったことが私の人生観を変えるきっかけとなりました。2週間という短い期間ではありましたが、当時全く英語を話せなかった私からすると、日本とは別の世界観を味わう中で、『なんて世界は広いんだ』と心を奪われました。日本から帰国したのち、英語に対する興味が以前と比べて一段と大きくなっていきました。

学校での英語の勉強は勿論ですが、洋楽や洋画といった様々な媒体から英語を学んでいました。その頃から海外の学校で勉強をしてみたい、という漠然とした考えはありましたが、実際は費用面も考慮し、地元の高校に進学しました。高校生の頃は、英語への勉強は勿論のこと、他の教科の勉強も怠らず、充実した三年間を過ごしました。

高校三年生の冬、進路先を決めなければならない時期、中学生の頃の海外経験を経て留学をしたいと考えていた私は、 『留学できる日本の大学へ行くか』若しくは 『直接、海外の大学へ留学に行くか』の二択で悩んでいました。3人兄弟の長男という事も踏まえて、両親への負担のことを考えると日本の大学に進学した方がいいと思い、両親とも真剣に相談しました。その中で、両親から 『今やりたいと思っていることはやりなさい。自分の人生、後悔しない人生を歩みなさい。』という言葉を受け、海外の大学へ進学することを決断しました。そこから留学先を選択する際に、グローバル社会のトップを歩んでいるアメリカに訪れ、実際に目で見て、肌で感じ様々なことを経験したいという気持ちがありました。しかし、当時の私は留学進学に関して詳しい情報を知らなかった為、留学支援機構であるAffinityへ相談に行き、費用面と環境面のことを考慮し、カリフォルニア州に位置するマーセッド大学を留学先として選びました。」

 

 「この時点で留学をすることに了承してくれた両親は勿論、応援して下さる家族や周りの方々への感謝の気持ちを忘れないこと、そして留学しているからこそできる経験を沢山し、その経験を糧に成長していくことを念頭に留学することを決断しました。」

――留学するまでに真剣に考えられ、更に留学に行くと決断されるまでの過程に熱い気持ちを感じられました。そんな中、実際に留学に来られた感想などお聞きしてもよろしいでしょうか。

 

 「渡米し、現在約1年半が経過しましたが、留学という選択をしたことに対し、大変誇りに思っています。日本にいた当初の自分とは全く別の方向で成長できていることを留学を通じて、心底感じています。特に、親元を離れ一人で何事にも取り組むことが増えた為、自己管理能力や自分で決断する能力などが養われました。不明な点は教師や友達にすぐ聞く癖がありましたが、自分で考え、試行錯誤し、それでも理解できていなければ聞くように心掛け、何事も自分で熟考し行動することが増えました。

更に勉学面では、全授業が英語で行われる為、常に授業中は英語を聞き取ることに気を張っています。また、英語で勉強している分、復習を重ねなければ理解できないことも多くある為、日本に比べ勉強をする時間が圧倒的に増えました。

このように留学を通して気づいたことは、自分を見つめ直す時間が増えたことです。自分に不足している点や逆に良い点などを発見でき、自分自身をより知れるきっかけとなりました。アメリカで生活するうえでは受動的な姿勢だと何も生まれないことも学び、自らの意見や行動力が大切なことを痛感し、何事にも率先して行動をするようになりました。

――渡米し、自らのことについてよく考えるようになったのですね。行動力という言葉を強調されていますが、実際に水球部への入部を決められた経緯などをお伺いしてもよろしいでしょうか。

 

 「私自身、日本にいた当初は様々なスポーツ(バスケ、サッカー、水泳、陸上、ハンドボール等)に携わってきました。ですのでアメリカでも何か新しいことに挑戦する意欲があり、やるからには今まで日本で取り組んでこなかったスポーツに挑戦しようという想いに至りました新しい事に挑戦する度に、付き纏う恐怖心も勿論ありましたが、自身の経験値として蓄えられ、そこから違った価値観を学べるという確かな感覚がありました。その他にも、水球部に入部することで現地のコミュニティにも属せること、挑戦するからには今まで経験したことのない新たな試みを行う気持ち、そしてそれに伴う厳しさや辛さを超えることで自己を鍛えたいという心構えこういったことが経験できる可能性を感じ、自分を信じて水球部への入部を決断しました。」

――新たなことに挑戦ということで水球部に入部された益田さんは、水球部を通じて感じたこと(練習面、チームとの関係性)は何かありますか。

 

【練習面】

 「まず、新たなスポーツに挑戦ということで、慣れない練習についていくのに精一杯でした。周りのチームメイトの大半は水球歴が5年以上の経験者が多数で、競技歴のない私にとって大きなハンデで大変なことも多くありましたが、経験を言い訳にせず自分なりに必死にしがみついて厳しい練習についていきました。練習では幾度とも足や腹部など様々な体の部位がつってしまうことがあり、練習後は疲労困憊のなか眠い目をこすりながら課題に取り組む日々もありました。

しかし、はじめは泳ぐのが誰よりも遅く、ついていくだけで必死だった私でしたが、毎日継続して練習し続けるうちに、最初のころよりも長い距離を泳ぐことが出来るようになり、更に水球の醍醐味でもあるシュートやパスなどもスムーズに出来るようになっていきました。練習が辛いときなどは周りのチームメイトからも"You got this!!"、"Let’s go Kosuke!!" と私を鼓舞する言葉を投げかけてくれたり、私の為に一緒に個人練習に付き合ってくれたりなど、たくさんのチームメイトが私を支えてくれました。」

 

【チームメイトとの関係性】

 「入部当初はチームメイトとスムーズにコミュニケーションを図るのが難しかったです。というのも、チームメイトのほとんどが私と同世代で、彼らは若い年代特有のスラングや砕けた言い回しをよく使っていました。今まで教科書や大人が話すような英語を学んでいた為、そういったカジュアルな英語を理解するのに少し時間がかかり、チームメイトとのコミュニケーションがなかなか取れなかったです。しかし、馴染みのない単語や表現方法を調べ、実際にチームメイトに聞くことで理解していき、関係性を深めるように努力しました。

更に私はチームの中で存在感を出すように意識しました。留学生の私にとって、言語や文化の違いがあるのは当たり前です。しかし、その状況下で何もせず行動をしなかったら、どんどんと影に隠れてしまう存在となってしまい、人間として成長するチャンスを逃してしまうと思いました。ですので、英語が流暢に話せない分、私ができる他のアクションを起こすことを心掛けました。例えば、私は人と関わる際は、常に笑顔を意識し、周りに良い雰囲気を与えるように心掛け、更に笑顔だけではなく拙い英語ではありますが、少なからずコミュニケーションを密に図るようにしました。その他に、何事にも嫌な態度をせず、手伝いなど些細なことにも積極的に取り組むことで存在感をアピールしました。そのこともあり、コーチやチームメイトからも少しずつですが信頼を得られたように感じます。」

 

 「また、私は水球部の選手として試合に出場することはできませんでしたが、試合の際のビデオ撮影担当として、全ての試合を撮影させてもらいました。ビデオ撮影といいましても、コーチから任された大切なタスクでしたので、私も責任を持って取り組みました。更に撮影以外にも準備をお手伝いし、チームとして円滑に物事が進むよう心掛けました。

 

しかしながら、実際に撮影をしている最中に、チームメイトが輝いている姿を目の当たりにすると、『私も試合に出たい』という気持ちが芽生えることも多々ありましたが、その葛藤とも真剣に向き合いながら、他方面で私が取り組むべき責務を率先して行うことを決し、遂行していました。

部活動に取り組まれている方々ですと、スポーツを行う上で、醍醐味でもある試合に出場し活躍、更にそれを通じてハイレベルな大会に出場するなどの目標があり、それを糧に、日々の練習にも取り組むかと思います。実際に私は所謂、裏方の職分としてチームメイトをサポートする立場で、自分と向き合い、その中でも最高のパフォーマンスが出来るようにと一生懸命努力してきました。このように水球部を通じて、"試合に出場することがすべてではなく、任されたタスクに対し、真剣に向き合い取り組む中で、チームの一メンバーとして貢献できること、を熱量を持って行う"ということを学びました。」

――留学を通じ、慣れない環境に身を置き、更に新たなスポーツに携わる中で、様々な刺激を受けたことだと思います。それらを通じて、学んだことなどはありましたか。

 

 「主に学んだことが2つあります。それは継続力行動力です。今年の11月半ばで水球のシーズンが終了したのですが、たった約4か月の短い期間の中でも多くのをことを学び得られた気がします。チームメイトとの関係性や慣れない練習で考え事も多い時期もありましたが、必ずプラスになることを信じて継続し続けました。また、言語の部分でも、今までは授業の課題など机上の勉強が多かった為、生きた英語を話す機会が少なかったのですが、水球部に入部し毎日練習があることで、継続して英語を話す機会が増えました。その結果、スピーキング、リスニング能力が向上し、英語でのコミュニケーションにより自信を持てるようになったと思います。

行動力に関しては、何事も自ら率先して動くことで、必ずプラスに繋がるということを実感しました。行動をすることで伴う失敗、そしてそこからどのようにして成功に繋げていくか、そういったことを意識しながら積極的な行動を心掛けました。

――水球部を通じて、継続力と行動力を主に学ばれたのですね。最後になりますが、留学を考える方々にアドバイスなどあれば一言お願いします。

 

 「新たなことに挑戦してください。いつも同じことをし、生活していても変化のない毎日を過ごすだけです。よくある言葉にはなりますが、何もしなければ100%失敗はしません。その代わり、100%成功することもありません。人間として成長するためには、失敗と成功を繰り返し積み重ねていくことが大切だと私は思います。自分の殻を破る為にも経験したことがないことを積極的に挑戦することで、今までの価値観に新たな価値観が加わり、より実りのある人生を歩むことが出来ると思います。

いかがだっただろうか。

 

今回は水球部に所属している日本人留学生、益田晃輔さんにインタビューを行った。彼は日々新たなことに挑戦をし、刺激のある毎日を過ごしている。そんな彼は前セメスターには大学内に付属するチャイルドケアのボランティアを行い、更に留学当初から留学生オフィスでの活動にも取り組まれている。また今学期は、マーセッド大学のクラブの1つであるインターナショナルクラブのプレジデント(いわゆる部長)にも自ら立候補し、来学期から舵取り役として活動を行う。

彼は、『自分次第で自らの人生、思うように変えられる』ということを体現されている。留学当初の彼の口から「今まで想像もしていなかったことが今現在起きている」という言葉が出る程、自身の行動一つで大きく変わることができたと益田さんは語っている。

 

皆さんも今回のインタビュー記事を読んで彼からのメッセージである「新たなことに挑戦する」ことを学んでいただけたら幸いである。半歩先を踏み出すだけでも、見える景色は大きく違ってくるだろう。挑戦、失敗、成功の積み重ねが皆さんの将来を支える丈夫な柱となるに違いない。今記事を読み終えた今からこそ、「挑戦すること」ついて考えてみてはいかがだろうか。


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