【吉備国際大学】短期野球留学プログラム

 今回は野球の名門私立大学として中国六大学野球リーグに名を連ねる、岡山県・吉備国際大学にてレギュラーとして活躍する学生2名(Mr. Shimba Okuno, Mr. Kaito Ishida)が、ここ北カリフォルニアにて短期野球留学プログラムに参加した。当プログラムは2020年2月19日~3月2日の約2週間で執り行われた。プログラムの主な流れとして、マーセッド短期2年制大学での野球部練習参加、サンフランシスコでのジャイアンツ球場ツアーへの参加、更にDivision 1での優勝経験並びにメジャーリーグ多数輩出の実績があるフレズノ州立大学での試合観戦など、本場野球大国アメリカの地で、様々な視点から野球を経験できるプログラムとなった。以下にその詳細を記し、彼らの心境の変化に注目した。

 

 プログラムの前半はマーセッドでの生活から始まった。マーセッド大学を拠点に、午前中は語学学校での英語学習、午後は大学授業聴講+野球部への練習参加の流れだ。

帰宅後は、ホストファミリーと共に現地の方との時間を共有する形で短期留学の日々を過ごした。

今まで野球に多くの時間をつぎ込んできた彼らにとって、「英語」という言語は、半分不安、半分好奇心が相まみえる言語となっていた。しかしながら留学中は、2週間未満の状況に彼ら自身、恥やためらいを捨て、ここでの生活すべてに対し何事にも真剣に取り組むことを決意した。

 語学学校並びに、授業聴講では日頃体験することができない英語漬けの授業を受講することで、圧倒される場面もあったが、初めに決断した「恥やためらいを捨て、何事にも挑戦」という心構えの元、序盤から現地の学生とのコミュニケーションを密に図る場面が見受けられた。

 そして、野球部での練習では、日本出発時から心待ちにしていたこともあり、思う存分グラウンドへ彼らのやる気を開放することができたはずだ。練習でもやはり、言語という壁が彼らの目の前に立ちはだかる。しかしながら、彼らにとってそれらは重荷ではなく、むしろ学びの場として彼らを成長させる原動力となったに違いない。日本で小学校から野球を続けてきた彼らは、異国の地での体験する日本とは違った野球、そして出会う様々な人々から多くのエネルギーを受け取った。

 また、ホストファミリーの方々との時間では、異なる言語、文化を持つ第二の家族と生活する環境に身を置いたことで、そこから今まで経験することのなかった新たな学びを多く得られた。

 プログラム中、マーセッド2年制短期大学に隣接するカリフォルニア大学マーセッド校(University of California, Merced)を見学する機会を得た。アメリカの4年制大学の広大なキャンパス、近代的な設備など、自分がもし通った際のキャンパスライフへの想像が膨らみ、心躍らせていた。

 また野球プログラムという事もあり、メジャーリーグの試合球場であるサンフランシスコ・ジャイアンツ球場ツアーに参加した。日頃、テレビで見ていた景色が目の前に広がり、実際の雰囲気や迫力を肌で感じることができた。観客席だけでなく、選手の控室、バッティングケージ及び、グラウンド視索など、メジャーリーガーの目線を疑似体験する貴重な時間となった。

 更に、Division1の4年制大学野球チームであり、2008年にはアメリカ全土の4年制大学の中で頂点に輝いた実績もあり、ニューヨークヤンキースで現在活躍しているアーロン・ジャッジ選手の出身校であるフレズノ州立大学に訪れ、実際に試合を観戦した。彼らと年齢的にはさほど差もない現地の学生がダイナミックな試合展開を繰り広げている姿を目にし、彼ら自身も負けてられないと思わんばかりの刺激を受けた。やはり、4年制大学Division1のチームということで会場の規模、パフォーマンス、それにより人々の盛り上がりの様子に、圧倒され本場野球大国アメリカに魅了されていた。

 

 休日にはマーセッドから約2時間離れた場所に位置し、ユネスコ世界遺産として登録されているヨセミテ国立公園を訪れた。日頃、野球に打ち込む彼らにとって、その自然の偉大さは一人の人間としての存在意義を感じさせ、雄々しく生きる荘厳な自然から、多大なエネルギーを身に染みて感じる貴重な時間となった。

 最終日は一度訪れたサンフランシスコに再度場所を移し、今回は観光として街を周遊した。近年では経済成長が著しく、観光業が盛んなサンフランシスコでは、ゴールデンゲートブリッジをはじめ、固定歴史建造物にも指定されている路面電車など、技術、文化、芸術など、様々な分野の観光スポットが存在している。間違いなく日本では味わうことが出来ない雰囲気、臨場感を味わったことだ。

  最後に彼らに対し、今回の短期野球留学を通じて思いの内を聞いてみると、「野球以外の刺激が多く、もっといろんなことを知り自らの視野を広げていきたい。」と答えが返ってきた。この留学では現地学生やホストファミリー、教授との交流を通して、野球だけでなく英語という共通言語を通して国際情勢や日本の現状などこれまではあまり考える事のなかったことや異なる考え方や価値観に触れることができ、さらに自らの視野を広げたいと感じる事が出来た。これまでは野球漬けの人生で、それ以外のインプットは少なかったが、今回の留学を通して英語を学ぶ事で入ってくる情報量にも違いがあり、野球だけでなく、勉学やそれ以外の部分にも注力することで野球以外の強みを自分で生み出すことができるということ、それが今後の人生を大きく左右するということに気づいた留学となった。

 

 今まで野球一筋で取り組んでいた彼らの将来に選択肢が増えた瞬間だった。今回のプログラムで、彼らは日本人といった大きな枠組みを意識しながらも、一個人としての誇りを持ち、積極的に行動することの大切さを学んだはずだ。

 

 そして、最終日でのサンフランシスコ観光の際、最後まで英語を話そうと試みる彼らがいた。2週間前までは少し恥ずかしさが見えた彼らから今は勇ましさを感じ、この時間を最大限に活かし、自分の成長につなげようという気概が感じられた。約2週間と短期間であったが大きく彼らは前進したはずだ。最後は二人とも、「もう一度アメリカへ来て、勉強したい。働いてみたい。そして視野の広い人間になりたい。」と話しており、この短期プログラムをどのように今後の人生に活かしていくかがより問われることとなる。しかしながら日常生活に戻ると、そう簡単に長続きすることは難しい。だが、この留学プログラムをきっかけに日本帰国後も積極的な姿勢で努力を積み重ねていってほしい


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