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ベテランズデー 退役軍人の日

 本日の記事では、私が経験するアメリカ生活からみえる、アメリカ人の文化や価値観に関するレポートにします。

 

 

 11月11日、ベテランズデー(Veterans Day)は退役軍人の日と言われ退役軍人を称える日であり、また第一次世界大戦の休戦条約を締結させた記念日でもあります。連邦政府と州政府によって定められた祝日なので、役所や金融機関などの公的機関はお休みになるが、この祝日が月曜日ではない(いわゆるハッピーマンデーシステムではないため)多くの学校は休校とせず、企業も平常通り営業するところも多いです。また州によって様々ではありますが、ニューヨークなどの大都市ではベテランズデーパレードなどの特別なイベントが行われます。

  

 ベテランズデーの数日前から、マーセッドカレッジの広い芝生のフィールドではたくさんの国旗が立てられ、退役軍人に敬意を表しました。国旗を立てる多くの人は、退役またはすでに亡くなられた軍人が家族や親族にいる方々です。それぞれが記念用の国旗を持参し、記帳してフィールドに国旗を立てていきます。フィールド内を歩いて一つ一つを見ていると、顔写真や手紙が国旗に供えられていました。その他にも、地元の中学生が課外授業で訪れ、地域の担当の方かボランティアのような方から詳しく説明を受けている様子も見られました。当日は、現役の軍人や親子連れが多く訪れていました。

 

 ベテランズデーには、国全体が国のために奉仕した人に対して大きな感謝と敬意を示していることが感じられました。学校を通じての見学や家族連れの様子から、そこには大人から子供に伝えていく目に見える敬意の表し方があるのだなと思いました。

 

 

 本記事を書いている私も当日フィールドを訪れ、見学をしました。写真のように、このマーセッドカレッジ近郊の地域にゆかりのある方々だけでも多くの国旗が立てられているのがわかります。そんな中で目にしたものには、戦争で亡くなられた人たちのために掲げられた国旗の列もありました。何の戦争で亡くなられたのか、また、その時の状況や経緯が書かれたプレートが立てられていました。アフガニスタンやイラクでの戦争の方々が多く目に留まりました。戦死した人の多くは20代で、私の年齢と非常に近いです。その時彼らにも家族や友人たちがいたことを考えると、とても心が痛みました。

 

 私には、航空自衛隊で働く友人がいます。数ヶ月前、一時帰国した際に私は彼と再会しました。その時の会話の内容を少し紹介します。『航空自衛隊は、日本に向けて発射されたミサイルの迎撃をする訓練を毎日行っている。』私は彼のこの言葉を聞く前までは、日本の自衛隊が日々どんなことをしているのか全く知りませんでした。他にも、他国の偵察機や戦闘機が領空に接近した際に行われるスクランブル発進(緊急発進)が年間に1000回にも及ぶ(2021年度)など、我々が知らないところでも日本を危険から守り、常に日本国のために働いてくれているという現実も知りました。スクランブル発進緊急発進

 

 ベテランズデーや友人の話を踏まえて今回私が日本人として感じたことは、両国の軍隊や自衛隊に対する考え方の違いです。そもそも日本では自衛隊の存在をどのように解釈するのか自体が大きな問題の一つとなっています。私自身、友人の話を聞くまでは自衛隊に対する特別な感情を持つことはありませんでした。しかし、アメリカでは教育の一環として子ども達に国のために奉仕する軍隊の功績や敬意を讃えることを伝えています。私にとってはとても新鮮な光景で、文化の違いを目の当たりにしました。また、ベテランズデーに限らずアメリカは日常的に国旗を掲げている家庭を多く見ます。日本の場合では、建国記念日や元旦など国民の祝日に掲げることが多く、日々国旗を目にする機会があまりありません。また、ベテランズデーや日常生活で感じるアメリカの印象は、自身の国への愛国心がとても強いということです。軍隊の功績は多くのアメリカ人の記憶に残っていて尚且つ、その敬意を讃える日が国によって定められていること。またアメリカの記念日の一つである独立記念日(7月4日)には、花火が打ち上げられたり、アメリカの国旗がデザインされた服を着て祝うなど、愛国心を大切にしていることが分かります。大統領選挙でも近年若者の投票率が上がっていて、一人一人がアメリカの国民であるという意識が強くあります。私はこのような目に見える愛国心が日本でも増えていって欲しい思うと同時に、アメリカと日本の軍隊に対する考え方の違いがこの記事を通して少しでも多くの人に伝わって欲しいと思います。そして、自身も当事者としてしっかりと考えていきたいと思います。

 

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