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女子バスケ部、2017-2018シーズンを終えて

 マーセッド大学の女子バスケットボール部が新たな歴史を築いた。アレン・ハドルストンヘッドコーチ率いるマーセッド大学女子バスケ部は、20178月に新チームを始動。始動時には18名の部員が在籍していた女子バスケ部だが、怪我や学業への専念を理由に、シーズン開幕前には8名にまで減少。満足に部員数を確保できないまま、地区リーグ戦に臨むこととなった。そんな逆境にも関わらず、チームは強豪校相手に次々と勝利を重ね、セントラルバレー地区を245敗の3位で通過。見事3年連続となる北カリフォルニアプレーオフ出場を決めた。その後もプレーオフを順調に勝ち進んだマーセッド大学女子バスケ部は、遂にカリフォルニア州ベスト8に進出。準決勝進出をかけた大一番で待っていたのは、カリフォルニア州暫定1位に君臨し、優勝候補筆頭と評されていたパロマー大学。チームは苦戦を強いられるも、最後は2点差で王者との接戦をものにした。彼女たちは、勢いそのままに準決勝も大差で勝利、遂に決勝に駒を進めた。決勝の相手となったのは、南カリフォルニア暫定2位のマウントサン・ジャッキント大学。ここでも、第2クオーター終了時までは接戦を繰り広げたマーセッド大学だが、連戦の疲れもあり惜敗。惜しくもカリフォルニア州王者の座は逃したが、マーセッド大学女子バスケ部史上最高となる州2位として、有終の美を飾った。そんなマーセッド大学女子バスケ部にて、チームの躍進に大きく貢献した、在籍1年目の庄司鈴菜さん、そして中島采加さんに今シーズンを振り返っていただいた。


今シーズンはお二人にとって初めてのシーズンとなりましたが、まずはシーズンを通しての感想を教えて下さい。
中島「日本から来た私たちでも、意外とアメリカのバスケに通じるんだな、と感じました。最初はアメリカ人選手の中でやっていけるかどうか、ブランクもあり少し不安でしたが、シーズンオフ中に皆で一から準備をし始めたので、体力の差などで心配することはありませんでした。」
庄司「シーズンが始まる前の練習のきつさが印象に残っています。8月から12月まで、週3で朝5時半の練習があったのですが、タイムマネジメントに苦労しました。」

英語でのコミュニケーションで苦労したことはありますか?

中島「あまり英語でのコミュニケーションに苦労した覚えはないです。コーチ達や仲間の協力のおかげで、図や、身振り手振りを使って教えてもらうことが多かったので、難なく試合中の急な作戦の変更にも対応することが出来ました。」

 

シーズン中に辛かったことは何ですか?

庄司「数人のチームメイトにかけられる言葉が厳しく、メンタル的に大変でした。シーズン始めから中盤にかけて、練習、試合問わずチームメイトから一方的に責められることが多かったです。一度、ホームでの試合で何回かミスが続いた時があったんですが、その時にチームメイトに、もう鈴菜はベンチに下がってと言われて、すぐベンチに下げられることがありました。その時は本当に辛かったです。」

中島「鈴菜、私ともう一人のアメリカ人選手が普段受け身な性格であるために、責められるときはほとんど私たち3人の中の1人でした。」

精神的に負担のかかる状況の中、最後まで部活動を辞めずに続けた理由を教えて下さい。
中島「鈴菜がいたから、続けることが出来ました。数人のソフモア(部活に在籍して2年目の学生アスリート)が、ミスをとにかく許さない人たちだったので、少しミスをしただけですごく怒られたことを覚えています。」
庄司「本当に私もそう思います。采加のおかげで今シーズンを無事に終えることが出来ました。もし女子バスケ部に日本人が私1人だけだったら、辞めていたかもしれません。ゲーム中に采加が責められていても、采加がどんな考えがあってそのプレーをしたのかが共感できるので、もしチームメイトと嫌なことがあっても、お互いに励ましあっていました。」
中島「あとは、コーチと自分のために続けていたといっても過言ではないですね。本当にコーチ陣に恵まれたと思います。とても思慮深い方たちばかりで、いつも選手全員のことを考えてくれていました。私たちに尽くしてくれたコーチ達に、カリフォルニア州1位の座を勝ち取って恩返しがしたかったです。」

ハドルストンヘッドコーチが、カリフォルニア州のコーチオブザイヤーを取ったことに対して、どう感じていますか?

中島「本当にとても嬉しいです。(そういって彼女は、コーチが受賞した時の動画を見せてくれた。)カリフォルニア州ベスト4を決めるトーナメント戦でフレズノ大学と対戦した後に、ロッカールームで私たち選手とコーチ陣が集まっている中、現地スタッフの方からハドルストンヘッドコーチがカリフォルニア州のコーチオブザイヤーを受賞したことを告げられました。とにかく、ハドルストンコーチは素晴らしい人です。コーチは選手のバスケが上手い下手関係なく皆を試合に必ず出し、平等に見てくれてました。サンフランシスコシティ大学との試合で、私が中々良いプレーが出来ずに、すごい落ち込んでいた時があったのですが、そんなときに、帰りのバスでコーチからテキストをもらいました。落ち込まないで。私たちには君が必要だから、次に向けて準備をするんだ。と。そのポジティブな言葉がグッと心に響きました。」

庄司「ハドルストンコーチは、怖い時はとても怖いです。特に試合中に、私たちが普段であれば出来ることが出来ていない時は、コーチはとても怒ります。でも、彼はバスケとプライベートをしっかりと分けるので、プライベートでは常に皆に優しくて、場の雰囲気を盛り上げてくれます。」

決勝戦を振り返ってみて。来年こそ王者の座に輝くためにそれぞれが感じる改善点を教えて下さい。
中島マウントサン・ジャッキント大学と対戦する前日に、彼女達の試合を生で見たのですが、強いチームだなと感じていました。しかし、実際に戦ってみて強い相手ではあったんですが、勝てないような相手じゃなかった、というのが本音です。」
庄司「前半は、マーセッド側のオフェンスが上手くいかず点差が開いていましたが、ディフェンスの調子は良かったために、2クォーター目の最後で2点ビハインドまで縮めることができました。それを考えると、最後までディフェンスを頑張れていたら、もっと良い勝負ができていたのかなあと。私たちのチームは精神的な部分が大きな敗因となることが多いので、全員がメンタルを強くしないといけないと感じました。」

最後に、来シーズンのチームの目標と個人の目標を教えてください。
庄司、中島「もちろん全体の目標としては、カリフォルニア1位になることです。来シーズンにここへ必ず戻ってきて、カリフォルニア州の1位を勝ち取ると、コーチと約束したので。」

中島
「チームの目標としては、いいチームを作りたいです。今シーズンは、
2年目の選手たちがただただ私たちを引っ張っていくといった感じだったので、来シーズンは皆で協力し合えるような、本当のチームワークの構築を目指します!」
庄司「また、お互いに鼓舞しあえるようなチームを作りたいです。たとえ失敗しても、むやみに怒るのではなく、次のチャンスで取り戻すようなスタイルで、皆が色んなプレーに挑戦できるようなチームの雰囲気作りを頑張っていきたい。個人の目標としては、ポイントガードとして、常に冷静に、そして大事な場面で自分がゲームを回すことができる心身ともに強いプレーヤーになりたいです。そのためには、シュート力、ボールコントロール力などの基礎から見直して、練習を頑張ります。」
中島「個人の目標として、来シーズンは得点とリバウンド数にこだわっていきたいです。今シーズンは、シュートに行かなくて沢山怒られたので、来シーズンこそはコーチ達の期待に応えたい。また、地味なことが出来るチームが本当に強いと思うので、そういう地味なこと(リバウンド、ディフェンス、ルーズボール)を来シーズンはソフモアの私達が徹底したいと思います。」




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