世界をリードするカリフォルニアの酪農産業

 グローバル化が進む今日では、伝統的な農業から新たに開拓された農業まで、農業が多岐にわたって私たちの食生活を支えています。また国の発展に欠かせない事業の一つとして、国内自給率を上げていくことが多くの国では課題となっています。その中でも、酪農産業の需要は毎年上昇しており、多くの国では、経済発展と共に牛乳・乳製品の消費量が増えているのです。今回は、世界の酪農とアメリカ・カリフォルニア州の酪農について、ご紹介します。

 

世界の酪農産業

  近年、多くの国で牛乳や乳製品の消費が高まり、それを支える酪農産業界では、生産量の増加が求められています。特に先進国では最先端の科学技術を取り入れることで、より効率良く質の高い牛乳を大量生産することが可能になりました。その一方で、発展途上国では乳牛頭数を増やすことで摘出・生産量を増やしているのが現状です。世界の乳牛頭数はおよそ264百万頭おり、年間およそ600百万トンの牛乳を生産しています。

 最近では、生産量の増加の影響で国内の牛乳・乳製品のシェアだけでなく、それらの輸出、つまり貿易のツールとしての酪農産業にも注目が集まっています。その理由の一つは、アジア諸国、アフリカ、ラテンアメリカなどの人口増加、国家の繁栄、現代化・西洋化された食文化などが牛乳・乳製品への需要を高めているためです。またciwf.orgの統計によると、2024年までに世界の酪農産業の生産量は3.6%上昇し、710百万トンを超える牛乳の生産が予測されています。

 

 右のランキングを見てわかるように、アメリカが世界第一位の牛乳生産量を誇っています。二位、三位に次ぐのがインドと中国、どちらも人口の多い国として知られている国々が上位を占めています。

 

 乳牛頭数が最も多いインドですが、牛乳生産量はアメリカの3分の2ほどとなっており、宗教上、またそれ以外にも技術的な面でアメリカの方が生産面で優れているのです。

(参照:Statistics-Dairy-cow、Compassion in world farming ciwf.org


 

カリフォルニア州の酪農産業

 一つの州だけで日本とほぼ同じ面積を持ち、北から南へ縦に伸びているカリフォルニア州。多種多様な動植物と温暖な気候に恵まれたカリフォルニア州では、その土地を活かした農業が行われています。世界をリードするアメリカの酪農産業、その中でもカリフォルニア州の酪農産業はトップクラスで、牛乳・乳製品の全米第一位を誇る、酪農が盛んな州です。

 

 カリフォルニア州には酪農産業を支える企業・大学が多数あり、各機関が連携することで、更に生産を効率化するための環境が揃っています。夏場の乾燥した暑さは乳牛へのストレスになりますが、それを減らすことが農業家たちの課題であり、企業との協力によって毎年の生産高は上昇傾向にあります。カリフォルニア州の強みは、ほかの地域に比べ、年中を通して摘乳可能であることで、これが全米第一位を誇る生産量を支えています。

 

 アメリカでは、摘出量の多い乳牛の選別を行い、遺伝子的に摘出量の多い種を増やしたり、人工授精を行うことで、より効率的に繁殖を行うなど、多くの科学技術が酪農産業に取り入れられています。また、最近では冷凍精子の市場も確立され、遺伝子的に優れている乳牛を取引することが可能になりました。それらの効率的な酪農生産がカリフォルニア州の生産量を増加させているのです。

 アメリカ国内の90%以上の酪農家ではホルスタイン種(白に黒い模様のある牛)が飼育されています。ホルスタイン種は体格が大きく、ほかの種類の牛と比べ、牛乳の摘出量が多いため、多くの酪農家が飼育しています。白い体に黒の模様が入っている牛(写真上)がホルスタイン種で、牛乳と聞いてこの牛を連想する人も多いと思います。


 

地域別牛乳生産量ランキング

  

カリフォルニア州のセントラルバレーに位置する地域が上位を占めており、その理由として広く安い土地があること、また飼育されている乳牛のほとんどがホルスタイン種で、特徴として寒さに弱いが暑さには強く、セントラルバレーの亜熱帯気候に適していることが挙げられます。

 

アメリカ合衆国全体の牛乳生産量(2015年度)の合計は208,633(百万/lbs)で、2014年度よりも1.3%増となっており、乳製品の安定した市場が確立されています。また、乳牛頭数は9,317,000頭で、これも2014年より0.6%増となっています。そして、カリフォルニア州の牛乳生産量の合計は40,898(百万/lbs)で米国内第一位となっています。

(参照:California Dairy Statistics Annual, cdfa)

 

 各国での科学技術の発展により、日々新たな道が開かれてゆく世界の農業シーンでは、国内需要へ向けた安定的な酪農生産から、国外貿易へ向けた積極的な生産も増加傾向にあります。そして、交通機関の発達もそれに拍車をかけており、今後は一層、国内外の酪農産業において激しい競争が展開されていくことでしょう。

 各国が科学技術の随意を結集し、発展を目指す農産業、その最先端を行くアメリカの動きに、今後も注目です。

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