編入生インタビュー 池田昂己さん【前編】

 

2016年夏 語学学校へ入学(MCELI)

 

2016年秋 マーセッド大学へ入学

 

2019年春  University of Southern Mississippiへ編入学予定

 

 

 世界トップレベルの環境であるアメリカでアスレティックトレーナー(AT)になる。この強い思いを持つ 池田 昂己 さんがマーセッド大学在学中の最終目標であった4年制大学への編入学、並びに留学生にとって難関ともいわれるアスレティックトレーナーを養成するためのプログラム(Athletic Training program)から正式に参加の承認を得た。今回はマーセッド大学から羽ばたき、夢の実現を目指す池田さんへインタビューを行い、日々のアメリカでの留学生活や池田さんの熱い思いについてを前編・後編の二部に渡り、特集していく。

 

 Q1. 渡米したきっかけは?

 

 「日本では野球を12年間プレーしていました。その当時の私は、まさに俗にいう 野球馬鹿 で、高校時代の学力も学年で最下位、素行なども決して誇れるものではありませんでした。高校卒業後、私はその時の直観でトレーナーを目指すために福岡の専門学校に入学を決め、今ではこの選択が私の人生のターニングポイントだったように思います。専門学校で学ぶトレーナーの専門的な知識は私にとっては新鮮で、高校まで勉強をしていなかった私も専門学校では予習・復習・質問が楽しくて仕方ありませんでした。それでも更に学びたいという思いは止まらず、学校外で開催されているトレーナーに関するセミナーに参加をするようになりました。そのため平日は学校で学び、アルバイトでお金を貯めて、そのお金のほとんどを多くの外部でのセミナーやトレーナーとしての経験の為に使っていました。」

 

 「そんな時、あるセミナーで日本のトップレベルの環境でトレーナーをされている方とお話をする機会をいただき、トレーナー界の最先端はアメリカ であり、留学という道があるという事を知りました。それまで全く考えたことのなかった留学が私の頭から離れなくなり、その時から私は留学することを勝手に決め、それを自ら疑うことは一切ありませんでした。その当時の両親や周りの人は、こいつ正気か?という反応でしたね(笑)。しかし、その思いが本気であると周囲に伝えるために学校の成績はもちろん、留学費用を作るために夜間の仕事も含め3つのアルバイトを掛け持ち、自身の行動で本気度を両親に伝えました。この方法がベストだったとは思いませんが、当時の私はイノシシ座の名に恥じない 猪突猛進 でしたね(笑)。このような経緯があり、私は高校時代まで全く考えたことのなかった留学。ましてや、高校時代まで本気で勉強をしていなかった私でも、アメリカへの留学を実現させることができました。」

 

 

 Q2. マーセッド大学ではどのような生活を送っていますか?

 

 「一言で伝えることは難しいですが、充実 という言葉が適しているかと思います。大学内では Kinesiology(運動学) を専攻、ボランティアの学生トレーナーとしての経験、そして学内でのアルバイト(詳細は後編にて)をしています。

 大学 では専攻科目の授業以外に、一般教養授業の履修が必要です。当たり前ではありますが、全ての授業は英語で行われており、クラスメートのほとんどがアメリカ人です。予定通り、語学学校からマーセッド大学へ入学した私でしたが、マーセッド大学入学当初は各授業を完璧に理解をすることはできませんでした。時間が経過するにつれて授業に適応できるようにはなりましたが、当初は本当に苦しかったことを覚えています。留学2年目からは 卒業のために必須であったAnatomy (解剖学)Physiology(生理学)の授業を履修しました。これらの授業は莫大な量の暗記が求められ、本当に寝る間を惜しんで勉強をし、高校時代には最下位であった私も、現在は平均を超え、高い水準の評定(GPA)を保っています。

 

学生トレーナーとしては、この2年間で約900時間を費やし、貴重な経験を積ませていただきました。マーセッド大学には2名のアスレティックトレーナーが常任しており、彼らのもと多くの知識を学びました。体格が日本人の倍ほどある選手へのリハビリのサポートやストレッチ、テーピングをする傍ら、全ての選手を把握するための書類の管理を経験し、組織化・専門化されたメディカルな環境で2年間を過ごしました。このことは、先日の編入先のプログラムに参加するための面接時に、上記の経験をしっかりと伝えることができ、無事に次のステージへ通過することができました。

 

 

Q3. アメリカ留学でどのような苦労をしましたか?

 

 「アメリカでの学生生活は苦労の連続です。すでに私は留学3年目ですが、今でも発見の毎日です。その日々の中で意識していることは 行動力 です。私は日本にいる頃から行動力だけには自信があり、そのスタイルはアメリカでも変えないように意識をしています。こんな私ですが、留学を始めて半年が経った頃、その私の芯であった行動力を失いかけたことがありました。当時の私は日々の忙しさのせいか、全てを効率良くするために何かに挑戦することから逃げ、攻めのない無難な留学生活を行っていました。

 そんなある日、私は将来の目標である〝アメリカでアスレティックトレーナーの資格を取り、世界の最も高いレベルで仕事をすることを逆算した時に失敗を恐れていた私自身に気付きました。その瞬間に本来の姿に戻った私は、当時の私に必要な物は何かを考え、その日のうちに行動力を取り戻すために一人でアメリカを一周すると決断をしました。その際は、最も安い交通手段である電車(Amtrak)のチケットを全て買い、その決断から逃げられない環境を自身で作りました(笑)。約1カ月に及んだアメリカ一周の旅ではタクシー(Uber, Lyft) を使わないという縛りで行い、予想通り失敗ばかりの旅になりました。全く知らない環境で携帯を盗まれてしまったり、薬物を使った人に絡まれたり。つたない英語力でしたが、その時間はとても充実していて大切なことをこの旅から学べたように思います。そのため今の留学生活でも失敗をすることはありますが、全ては自身の成長の為 と思えば、それらは苦しいものであると感じないし、それを乗り越える時の達成感の方が強い印象があります。しかし、このようにアメリカで挑戦を続けられるのも全ては両親や日本とアメリカで支えてくださっている方々のおかげです。今後もこの 感謝 の思いだけは決して忘れることのないように生活をしていきます。

 

 

  池田さんは圧倒的な行動力と夢を叶えるための熱い思いを持つ。そんな彼も今年でマーセッド大学の運動学部を卒業。来年からは更なる大きな一歩を踏み出し、ミシシッピ州という新たな環境でアスレティックトレーニングを学ぶ。こちらの記事の後編では、留学を経て、どのようなことを学んだのか。そして、どのようにして編入先を選び、狭き門であるアスレティックトレーニングプログラム参加の承認を得た経緯に迫る。

 



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