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ソフトボール留学 アメリカで挑戦したい学生達へ


 春学期が始まり、再びソフトボールのシーズンがやってきました。現在ソフトボール部に所属している唯一の留学生、西部さんは今シーズンがマーセッド大学での2年目のシーズンとなりました。西部さんは2年連続ロースター入り、そしてレギュラー入りを共に果たし、チームの勝利に大きく貢献しています。守備では昨シーズンの二塁手から、守備範囲が広く俊敏さが求められるポジションである遊撃手へコンバート。遊撃手の役割は多岐に渡り、内野と外野のまとめ役となる必要がある為、試合中積極的に仲間に声かけを行っている姿を見ることも。そして打席ではリードオフ(一番打者)として試合の流れを作るなど、攻防ともにチームの勝利に勢いをつける重要な役割を務めています。

 今回は、一方で学業面も怠ることなく部活との両立を全うしている彼女に、スポーツ留学生としての生活をどのように感じているのかについて、インタビューを行いました。


部活を通して感じること 

 

部活をやっていて大変だと感じることは?

 仲間と過ごして感じるのは、アメリカと日本間の文化の違いです。特にソフトボールに対するモチベーションの違いに戸惑うことがあります。日本では試合後に負けた時は雰囲気が暗くなるのが通常ですが、アメリカだと試合終了後の帰路につく車内はいつも明るいです。

 

 また個人的な点で言うと、勉強と部活の両立が大変です。通常だと勉強時間が足りない際は睡眠時間を削って勉強に当てることが多いと思います。しかし、私は選手である以上、より良いパフォーマンスを発揮するために体調管理を怠ることはできないので、一定の睡眠時間を確保しなければなりません。そういった場面でどこかの時間を削ったり、効率よく時間を使ったりなどタイムマネジメントがとても重要になります。勉強は主に週末の空いた時間にこなしていますが、時には試験期間と試合が重なることもあり、睡眠時間を削って乗り越えなければならない時もあるので、シーズン中は特に忙しいです。

 

また、日本と違って1日の練習が少なく、そして試合の間隔が短いため、個人の課題を克服するための時間が限られています。負けた試合の後はもちろん落ち込みますが、試合は待ってくれないので気持ちの切り替えを素早く行い、自分の課題に取り組むことが大切になります。

 

部活をやっていて良かったことは?

 まず、一番良かったことは、英語力が向上した点です。ネイティヴとの交流なので、スピーキング・リスニングともに勉強になります。部活に入った当初は英語に日本人特有の発音アクセントがあり、コーチ・チームメイトに自分の英語を理解してもらえませんでした。しかし彼女たちと過ごしていく中で、日本人のいない環境に身を置いて本場の英語に触れるため、ぐっと英語力が向上していると感じます。

 また、ソフトボールを通して仲間が増えるため交流関係の幅が広がり、そこからアメリカの文化を知ることが出来ます。

  

留学生へのメッセージ 

   

アメリカに来て部活をする際に大切なことは?

 コミュニケーションだと思います。私が入部する以前には日本人の選手が少なく、入部当初はアメリカ人の選手たちから見下されていたように感じます。私はそこで怖じけず、実力で彼女たちに認めてもらおうと練習を頑張りました。その結果、昨シーズンは打率3割をキープすることができ、仲間にも認めてもらうことができました。

 

アメリカに来て初めの頃、多くの留学生たちは自分のスピーキング力に不安があると思います。どうやって乗り越えましたか?

 私も留学して初めの頃はネイティヴのように完璧に発音をしないといけないとプレッシャーを感じていました。アメリカ人の方達と話していても全く理解されないということもありました。しかし、現在は完璧を目指さなくていいので、相手に伝わるように話せばいいと考えています。

 自分が相手に伝えようという誠意を見せると、相手も一生懸命に自分の英語を理解しようと聞いてくれます。特にカリフォルニアに住む方達は皆、国外からきた留学生達に対してとても寛容で困ったことがあるとすぐに手を差し伸べてくれます。なので、たとえ相手が言っていることが理解できない、または自分の言っていることを理解してくれないとしても、自分の能力不足だと諦めずに理解する・理解してくれるまで挑戦する。それが他の留学生と英語力の差を付けるポイントだと思います。

 また、部活に入って仲間が増えると、様々な場面で仲間が助けてくれます。私が実際に経験したことで、アウェーゲームがあった際に、テーピングを巻いてもらう為に相手の大学のアスレティックトレーナー(ATC)に自分の怪我の状況を説明しなければいけない場面がありました。ATCの方に上手く自分の説明を理解してもらえなかった際に、仲間が側にいて補足説明をしてくれました。周りの人達に助けてもらうことも、1つの手段だと思います。

 

スポーツ留学を目指す学生にアドバイスをお願いします。

 私が感じる点として、強豪校に在籍している選手たちは部活により多くの時間を掛けるため、能力においてどうしても学業面がスポーツ面より劣るといった傾向にあると思います。そのために、どんなにスポーツに長けている学生が日本ではなく海外で挑戦したいと考えている人でも諦めざるを得ないのかなと。スポーツ留学を目指す学生達は、まず英語を出来るだけ身近にすることが大切だと思います。たとえ苦手でも、英単語を1日1つでもいいので覚えること。他には洋画を字幕で見たりするなども良いと思います。勉強するといっても、have to(外発的動機付け)ではなく、want to(内発的動機付け)の姿勢でないと身に付かないので、そこは気をつけるべきポイントだと思います。


ソフトボール部及び野球部の成績 

 マーセッド大学ソフトボール部は、4月25日をもってセントラルバレー地区でのカンファレンスを3位で終えました。ここから地区上位2位のチームは自動的にプレーオフ進出が決定し、一方で3位に位置する当チームは先週末、北カリフォルニア内の各地区で3位となった全てのチームと共に協議にかけられます。チーム全体の成績を鑑み、そこから数チームがプレーオフ進出獲得が決まります。二年連続のプレーオフ進出になるかどうかがもう間も無く判明します。

 そして、野球部は昨シーズン惜しくもプレーオフ進出することは叶いませんでしたが、今シーズン見事セントラルバレー地区1位の座を獲得、プレーオフ進出が決定しました。先週の金曜日に最後のセントラルバレー地区内での試合を10点の大差をつけ勝利で終え、今週からはプレーオフに向けての調整が始まります。現在4名の日本人留学生が在籍しており、2名はロースター入り、2名はレッドシャツ(ロースター入りはできなかったが、練習への参加は可能)です。レッドシャツの学生達はロースターに入れなかった悔しさをバネに、来シーズンのロースター入りに向けて日々練習に励んでいます。




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