池田昂己 編入インタビュー 後編

 

2016年夏 語学学校へ入学(MCELI)

 

2016年秋 マーセッド大学へ入学

 

2019年春  University of Southern Mississippiへ編入学予定

 

  世界トップレベルの環境であるアメリカでアスレティックトレーナー(AT)になるという目標を持つ 池田 昂己 さん。先日公開した前編では、留学するまでの経緯。そして、彼の行動力の源に迫った。今回の後編ではマーセッド大学から羽ばたき、夢の実現を目指す池田さんのアメリカでの成長と編入予定先である University of Southern Mississippi からの合格に至るまでの過程と経緯に迫る。

 

Q.5 アメリカでの留学で最も成長した点は?

 

 「日本にいた時より、自分の考えをしっかりと相手に伝えることを意識しています。これは2年半の留学生活で本当に実感しています。日本では助けを求めていると、誰かが声をかけて助けてくれる。しかしアメリカでは「助けが必要」だと自分で発信しない限り、助けを得られることはありません。これは決して日本人が親切で、アメリカ人が気の利かないというわけではなく、文化の違い です。ですがアメリカに住んでいる以上、郷に入れば郷に従えなのでそこに関しては適応することを心掛けています。また、留学当初の私は英語を満足に使うことができず、YES/NOでしか質問に答えることができませんでした。そのためコミュニケーションを取ることに苦戦し、アメリカ人と話をすることに対し、少し恐れてしまっていた時がありました。おそらく十分な英語力を持たずに留学を経験した留学生の多くが感じる壁の1つだと思います。しかし、私の場合は大学の授業や学生トレーナーとしての活動を通じ、会話をすることが必要不可欠であることを認識することができたので、その点を改善することができました。この意識は日本の社会でも必要なものであると思いますし、このことをアメリカで学ぶことができたことは私にとってとても大きなステップであり、成長した点だと感じています。」

 

 Q.6 トレーナーとしてどのようなことを学びましたか?

 

 「マーセッド大学のアスレティックトレーニングルームでは学生トレーナーとして約2年間の学ぶ機会をいただきました。この2年間は2人のATC (Certified Athletic Trainer) のサポートのもと、主にリハビリやストレッチ、テーピング、書類業務、試合の帯同などの業務があり、トレーナーとしての多くの経験を積みました。その過程で知識や技術はもちろん、プロフェッショナルとしての業務に対する姿勢、意識の高さを肌で感じ、それは尊敬以外の何物でもありませんでした。またアメリカの特徴でもありますが、個人の意見やそれに対する質問ができる環境、その個の意見や魅力をリーダーが束ね一丸とし、より高い団結力を生む。この点はアメリカに来て驚いた点でもあり、世界のどこでも活かすことができることではないかと思っています。」

  「またこの夏にはカリフォルニア州サンディエゴにて長期のインターンを経験させていただき、多くのことを学ばせていただきました。そのインターンでは男女のサッカーチームのサポートを行い、各チームの遠征に帯同をする貴重な機会をいただくこともできました。そして、トレーナーとしての学び以外にもマネジメント業務に関わらせていただき、日々の留学生活では決して触れることのできない学びと共に様々な経験を得ることができました。インターン中には世界中の多くの国から選手が集まり開催されたサッカーセレクションにもトレーナーとしてサポートをする機会があり、その環境では英語が世界共通語であること、さらにジェスチャーや表情で伝えることの重要さを再確認しました。このインターン中の経験は他の学生が望んだとしてもできる経験ではありません。私にとってその時間はかけがえのないものであると共に、今の私の自信にも繋がっていることを自負しています。」

 

Q.7 University of Southern Mississippi へ編入を決めた経緯を教えてください。

 

 「4年制大学への編入学はマーセッド大学に入学した時からの目標でした。その目標を達成するためにいくつかの方法で編入したい大学を絞り、入学のための申し込み、そして最終的に University of Southern Mississippi への入学許可とアスレティックトレーニングプログラムからの承認を得ることができました。一言で4年制大学といっても、アメリカにはとても多くの大学があります。

 

  そのため大学選びのファーストステップは私自身の優先順位を決め、志望校を絞ることでした。私の場合は Division 1 (1部リーグ)に所属するスポーツのレベルの高い大学。 留学費用(学費・生活費) が高すぎない大学と学びに適した環境。 アスレティックトレーニングのプログラムが学士号で取れる大学 (2020年、アスレティックトレーニングプログラムは完全に修士号に移行し、資格取得のための費用は加算されることが予想されます) 信用できるCertified Athletic Trainer のいる大学。この 4つのステップが私の作った優先順位であり、その過程ではとても多くの時間と多くの方からのアドバイスをいただき、本当に自分が行きたい数校の大学を見つけることができました。その後、各大学のプログラムディレクターや卒業生へ直接メールや電話をし、他の大学と比較をしながら、メールの返信の速さや丁寧さなどを考え、実際にプログラムへ申し込みをする大学をUniversity of Southern Mississippi の1校に絞りました。また、この夏には自分の足でミシシッピ州に訪れ、教授(Program Director)と直接お話をする機会を作り、自分の目でトレーニングルームの雰囲気を感じることができました。更に、申請の手続きや必須科目についての交渉を行い、ディレクターから特別な条件を頂くなど、無事に手続きを進めていくことができました。」

 「プログラムに承認されるまでの過程は大きく分けて3つの審査がありました。

基本書類や身体検査に関する書類審査:この審査書類には幾つかのワクチン接種、免疫の検査や、医者のもとで行う身体検査の結果、並びにアメリカの赤十字が発行する資格を持っていることが必要条件。

エッセイ、履歴書、推薦文による審査:これはアスレティックトレーニングに関わるエッセイを5種類、就職活動などに使う履歴書、そしてCertified Athletic Trainer の監視下での実習経験とそのトレーナーからの推薦文が含まれる。

面接による最終審査:本来は面接官2名と受験者1名の対面式で行われる面接ですが、私はカリフォルニア州にいた為、遠隔でのスカイプ面接を行いました。

 「細かく分ければもっと多くの資料の提出があり、メディカルな環境でプロフェッショナルを育成するためのプログラムなので、事前の検査・審査は厳しかったように思います。さらに倍率の高いプログラムなので、審査毎に応募者が絞られていくような形で、審査期間の2か月間は緊張感のせいで、眠れない日も多々ありました。しかし、全ての審査で私の持っている力を出し切るために多くの方からアドバイスをいただいたり、ライティングの校正を徹底的に行い、私自身の精一杯の力で時間をつぎ込みました。スカイプ面接では慣れない環境という事もあり、とても緊張しましたが、他のアメリカ人の応募者に負けないように、熱意だけは確実に伝えようと決めて臨みました。その結果、無事に University of Southern Mississippi Athletic Training program から正式に承認をいただくことができました。」

 

Q.8 今後の目標は?

 

 「1番直近の目標は編入先の大学で教授やアスリートから信頼を得る学生になることです。上のステージに行けば行くほど信頼される人に仕事を任され、信頼のできない人は仕事を得ることはありません。なので、できるだけ早く新たな環境に適応し、私の持ち味である積極性行動力を活かして学んでいければと思っています。また、その先の2年半後には資格を習得の試験もあるので、勉学の面も怠ることなく精進していきます。ミシシッピでは今とは比較にならない程の時間と労力が求められることは間違いないので、初心を貫き、誰にも負けないハードワーカーになります。そして、多くの方の支えによって目標に向かって突き進んでいるということを胸に刻み、後悔しない大学生活にしていきます。」

 

 

 今回は池田昂己さんに関する記事を前編と後編に分けて特集した。池田さんのインタビューから伝わることは、アメリカという土地だからこそ学べることや経験があるということ。そして本気を出せば人は変われるということではないだろうか。この記事を読むことで、1人でも多くの人が自身の可能性を再確認する機会となり、留学がより身近なものになることを願っている。

 




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