アニマルサイエンス留学生が3奨学金を含む4冠達成。快挙の裏側に迫る(1)

 アメリカでは卒業式シーズンにあたる5月、マーセッドでは学生たちの一年間の活躍を讃える各種イベントが開催された。マーセッド大学農学部は農学部学生を表彰するAggie Awards Nightを、大学のHoner Society (優等生協会)は教員へ感謝を示すTeacher Appreciation Dinnerを、マーセッド大学基金は毎年恒例で行われる地域で最大規模の奨学金授賞式をそれぞれ開催した。

 そんな賑やかで華やかな各種イベントの中で、次々と表彰状を受け取る日本人留学生の姿があった。植木沙英さん(21歳)は、上記のイベントが開催されたわずか4日間の間に、3つの奨学金を含む4つの賞を受賞。留学生としては異例の「4冠」達成となった。

 側から見れば優秀な学生が各賞を掻っ攫っていっただけのように見えるかもしれない。しかしその裏には、課外でのボランティアやクラスでの取り組みにおける試行錯誤と懸命な努力があったことを、見逃してはいけない。

ボランティア活動を通して

市内の動物園でボランティアを行う植木さん
市内の動物園でボランティアを行う植木さん

 植木さんは2014年夏に語学学校MCELIに入校、秋のカレッジ入りに向けて準備を進めながら、自らが専攻するアニマルサイエンスに関する知識 と経験を得るために市内の動物園でボランティアを開始。動物に関わる時間を増やしたいと、自ら動物園の門を叩いた。平日は学校に通いながら、休日は動物園 でボランティア。動物園のスタッフと情報を共有し、来園者へ動物の案内を行う中で、現場でしか得られない知識と英語力を習得していった。家族連れの多い動 物園では、子ども向けに分かりやすい解説が求められる。動物についての専門知識を自分のものにした上で、噛み砕いて人に伝える。どの分野にも通じるイン プットとアウトプットの相互作用が、植木さんの英語力の成長を助けた。

 今回、植木さんが獲得した奨学金のうち、大学主催のMelissa Smith Scholarshipは、こうしたコミュニティでのボランティア活動が認められた結果の受賞となった。大学主催の奨学金は、地域の方々の寄付によって賄 われているため、奨学金の提供者によって受賞資格の判断材料が異なる。Melissa Smith Scholarshipの対象者は農学やアニマルサイエンスを専攻している学生と定められているが、提供者が社会貢献活動に積極的なこともあり、植木さん の普段からの取り組みが選考にあたって考慮の対象となったのだろう。

 また、植木さんは広大な農業施設を所有するマーセッド大学内でのボランティアにも精を出した。アニマルサイエンスの授業で得た知識を実施に現場で学びたいという気持ちから、教授と積極的にコミュニケーションを取り、大学内の牧場でボランティアを行う機会を得た。ボランティアでは、牛の人工授精の補助や動物への餌やりなどを行い、多くの実地経験を積んだ。そうした取り組みが認められた結果、農学部主催のSagebush Memorial Schlarship と アニマルサイエンス優秀学生賞を受賞。農学部主催の奨学金や賞の獲得は、留学生初の快挙となった。

 恵まれた環境の中で貴重なチャンスを逃さず、積極的に掴みに行く植木さんの姿勢が、今回の受賞を生んだことに間違いはないだろう。

クラブ活動を通して

AGSでの活動が表彰された植木さん(右から二番目)
AGSでの活動が表彰された植木さん(右から二番目)

 植木さんの活動は、農業のフィールドに限ったものではない。2015年の秋学期からは、一定以上のGPA(学業成績)を収めた学生だけが入会でき る優等生協会、AGS(California Community College Honor Society Alpha Gamma Sigma)に所属。大学内でのリサイクル活動や野宿者への炊き出し、献血の受付など、社会貢献活動を通して、アメリカ社会に潜む貧困や環境問題について 学んだ。

  こうしたクラブ活動を通して多くの現地学生と交流を深め、2016年の春からはAGSで書記の役職を担い、現在は学生達をリードする立場として活躍してい る。AGS主催のTeacher Appreciation Dinnerで受賞したAlpha Gamma Sigma Scholarshipは、こうした課外での取り組みが認められた結果の受賞となった。

 

 努力を重ねて結果を残した学生に対しては、留学生であっても分け隔てなく、その功績を讃えるのがアメリカのやり方だ。植木さんの積極的な課外活動での取り組みが教員や地域の方々に評価され、今回の「4冠」を呼びこんだのである。

 一方で、今回の受賞は、課外活動のみによる結果ではない。学生の本分である学業、クラス内での姿勢が評価されて初めてスタートラインに立つことができる。次回は、植木さんが学業と日常生活においてどのような姿勢で留学生活に臨んでいたのかを紹介する。奨学金獲得を目指す留学生たちにも、参考にして頂きたい。

 

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植木さんが受賞した奨学金・賞

 

・Certificate of Merit in the field of Animal Science

 

・Sagebush Memorial Scholarship

 

・Alpha Gamma Sigma Scholarship

 

・Melissa Smith Scholarship


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